去年(2014年)の年末からエアバッグのリコール問題で取り上げられているタカタ<7312>ですが、1年たってから最大の危機が訪れている気がします。
実際に自分の車もエアバッグがリコールとなったので、影響範囲は相当広いものだったと思います。
主力製品であるエアバッグのリコールが及ぼすタカタの業績への影響はどんなものか自分なりに考えてみます。
ニュース記事のまとめ
2014/10 | 米国運輸省道路交通安全局がエアバッグ部品交換を促す声明発表 | |||||
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2014/10 | 正式にタカタから対応について報告 | |||||
2014/11 | 正式にタカタからリコール実施の報告 | |||||
2014/11 | 米上院商業科学運輸委員会の公聴会実施 | |||||
2014/12 | 今後の対応方針についてタカタから発表 | |||||
2014/12 | 米下院エネルギー商業委員会の公聴会 | |||||
2015/11 | リコールに関する報告遅れによる米国(米道路交通安全局)への民事制裁金として約242億円支払いを同意 | |||||
2015/11 | 本田がタカタのエアバッグ使用中止を発表 | |||||
2015/11 | 国産車各社がタカタのエアバッグ使用中止を発表 |
事業継続の影響
米国からの民事制裁金、国産各社のエアバック使用中止により、一番気になるのはタカタが事業継続ができるのかと思いました。
過去数年分の売上推移を見てみます。
リコール対応は2014年前から発生しており、正式に発表があったのは2014年です。
売上・経営利益ともに純増していますが、正式発表のあった2014年には特別損失が大きくなり当期純利益はマイナスになっています。
今期はエアバッグの売上減及び特別損失が更に増加して2期連続赤字になると中間期(55億赤字)の報告でも発表となりました。
次に、売上の分類を見てみます。
分類としてはエアバッグの売上が一番大きいですが、2014年度の全体で見るとエアバッグは40%になっています。
エアバッグ事業が落ちても他事業が支える事が出来ると思っています。
ただ、売上額が大きいので本当に支えられるかは微妙ですが・・・
債務超過の危険性
2期連続とはいっても、2012年度も赤字になっていて債務超過が懸念されます・・・
純資産をチェックしてみます。
純資産で見ると今期債務超過になるようには見えないです。
純資産なので資本金や土地・工場なども含まれます。
そのため、資産売却で払えることも想定されますが、資産売却した場合はエアバッグ以外の事業への影響も想定されます。
ここは企業の今後の対応が気になります。
株価の動き
タカタの株価
2014/11 | 2,200円 → 1,500円へ |
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2015/11 | 1,300円 → 830円へ |
タカタはエアバッグでは業界二位です。(ちなみに一位はオートリブ)
国内各社がタカタのエアバッグ利用を中止すると、三位・四位の売上が上がる事が想定されます。
実際の三位・四位を見てみると以下のようになっていました。
豊田合成<7282> | 2015/11/2 増 |
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ダイセル<4202> | 2015/11/5 増 |
まとめ
株売買では企業のニュースを元にどのように派生するかを想定するのが大事ですね。
予測の難しさ、楽しさをあらためて感じました。